税理士試験で集中力を保つための5つの取り組み
税理士試験は年に1回しかありません。
1年間の勉強の成果を2時間の試験で出し切ることが求められています。
この2時間を集中して乗り切るためには事前準備が必要だと思います。
自分が意識していたことについてまとめてみました。
2時間集中力を保つためには事前準備が必要
人の集中力がどの程度持続できるかについて、「15・45・90の法則」というものがあるそうです。
・深い集中については15分程度
・子供でも集中できる時間は45分程度(小学校の授業時間)
・大人が集中できる時間は長くても90分程度(大学の講義時間)
ですが、税理士試験は2時間の戦いです。
大人でも集中するのが難しい長時間の試験だといえます。
本番になれば自然と集中するはずという楽観的な考え方はやめて、事前準備を行うようにしましょう。
事前準備として意識していたこと
1.周囲を気にしすぎないようにする
人の視線が気になり、電車の中やカフェなどでの勉強が苦手でした。
しかし、集中できていないから周囲が気になるのだと考えを変化させてみました。
その結果、周囲の視線は気にせず集中して勉強できるようになりました。
この経験は、本番でも周囲の受験生を気にせず集中するのに役立ちました。
2.時間で区切る
2時間という時間を区切ることも効果的です。
(60分×2や30分×2+60分などに)
2時間を一つのカタマリではなく、いくつかに分解する考え方です。
こうすることでそれぞれの時間は短くなり、集中しやすくなると考えていました。
これは普段の答練から問題ごとに制限時間を設定することで練習していました。
また、時間で区切るというのはメリハリをつけるという意味もあります。
答練においては、設問ごとの設定時間厳守というルールを作っていました。
ルールの目的は
・もう少し粘りたいという気持ちがあっても、次の設問に切り替える習慣をつくるため
・締め切り厳守にすることで追い込み効果を期待
長時間の試験だからこそ、時間管理が重要です。
集中力が切れてくると時間が漠然とすぎてしまうものですので注意しましょう。
3.自分なりのパターンを作り上げる
事前にどのような手順・時間配分で解答するのかをパターン化していました。
これは上記2.とも関連します。
理論と計算のどこから解くのか、それぞれ何分で解くのか自体に正解はないでしょう。
ですので、自分がやりやすいと感じる流れを決めてしまいました。
この作業も答練を通じて行うことになります。
そして、作り上げたパターンは本番でも変えないようにします。
パターン化することで、本番でどこから問題を解くのかということに頭を使うことを排除できます。
余計なことを考えない分、集中して問題に取り組めると思います。
なお、本番では当然緊張します。
そのあたりも含めた時間配分を設定しておくと良いでしょう。
自分は15分を最初の問題確認と予備の時間に設定していました。
そのため、105分で手順・時間配分を決めていました。
4.日頃から成果測定を怠らない
日常の勉強の中で、「間違い・苦手ノート」をつくるようにしていました。
これは、上手く解けなかったり苦手な論点についてまとめたものです。
記載内容は以下の3点です。
・何の部分で(対象)
・何につまづいた(原因)
・次回は何を意識するか(対策)
この「間違い・苦手ノート」を毎日見返す取り組みを行いました。
そうすうことで次のような効果があります。
・間違ったところ、苦手なところを見返すことで弱点を克服できる
・問題を見た時に、どこに気をつければ良いかという気づきになる
特に2点目の効果は、問題を見て解答するまでのプロセスで集中力を維持するのに役立ちます。
5.一つずつ処理をする
上記3.で時間配分を決めることとも関連します。
試験の際、最初に問題を一通り確認してから、事前に決めたパターンに従って解答を始めます。
その際に、他の問題を気にしながら作業するのはやめましょう。
最初の確認は、全体像を把握するため必要なことです。
しかし、解答の際にはその時に取り掛かっているものを、一つずつ処理するようにしましょう。
別のことを考えながら行うマルチタスクは、効率的に見えるかもしれません。
しかし、実際には集中しきれていないため処理が遅くなります。
また、集中しきれていないことから凡ミスの危険性もあります。
全体の時間配分は事前ルールを決めているのです。
他のことを考えても仕方ありません。
実際の解答は目先を一つずつ対応すれば良いのです。
なお、できないと思われる問題を捨てることも目先の処理として重要です。
その判断は日頃から意識していないと身につきません。
こちらも事前準備しておくようにしましょう。
集中力を保つことができると他でも活きる
今回、税理士試験に向けた集中力の保ち方について、自分の経験を振り返ってみました。
まとめてみて気がついたのは、これらの取り組みは今でも利用しているということです。
特に普段の仕事のやり方は強く影響を受けていると感じています。
・朝イチでやることはある程度パターン化して、作業スピードを上げる
・TODOの処理はシングルタスクで
・頻度の少なかったり苦手な業務はメモとして記録しておく
これらの取り組みは、税理士試験とほぼ変わらない内容です。
税理士試験を通じて得たスキルは、他の部分でも活用できます。
集中力を保持できるようになれば、時間の有効活用につながりますので参考にして頂ければ。